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物忘れ外来outpatient

このようなことでお悩みでしたら、ちはる神経内科クリニックにまずはご相談ください。

物忘れ外来について

ちはる神経科クリニックでは「もの忘れ外来」を行っています。
このような症状があったならば、クリニックを受診してください。

  • 自分で最近物忘れが強くなって来たのではないかと不安になってきた
  • 家族から見て物忘れが普通よりも強いのではないかと心配になってきた
  • 今までできた、仕事ができなくなってきた。
  • 毎日、同じ献立しか作らなくなってきた。
  • 同じことを繰り返し聞いたり、言ったりする。
  • テレビや新聞などに興味がなくなり、大きな事件も覚えていない。
  • 自分から何かをすることがなくなり、一日中何もしなくなった
  • 旅行に行って、迷ってしまった。
  • ホテルに泊まって自分の部屋が分からなくなった。

外来を受診していただいたときには、受診していただいた本人と、家族の方に十分に話を聞かせていただきます。
その後に、簡単なことを覚えているかの検査と計算や図形を描く検査で調べます。
更に、頭部CTという頭の状態を調べる検査で、脳の萎縮についてや脳梗塞や脳腫瘍がないかどうかなどを調べます。

脳の萎縮だけでは、認知症を診断できません。
認知症であっても、頭部CTでは異常がないこともあります。

患者さんの症状や検査を総合しもの忘れが、
□単に心配しすぎの症状なのか □年をとったため正常範囲のものなのか □全身の病気によるもの忘れなのか □脳梗塞などの脳疾患の原因によるものなのか □アルツハイマー病やレビー小体型認知症などのゆっくり進む病気によるものかを診断します。
もの忘れの中でも、治療可能なものは、原因に応じて治療を行っていきます。
良く知られているアルツハイマー病は、現時点では根本的に治すことはできないので、症状を改善する薬を服用します。
この薬によりかなり症状が改善する方もいます。
興奮や、幻覚、妄想などの症状が強いときは、それを抑える薬を服用することがあります。

脳の働きが低下した場合、大切なのは、それがどのような脳の働きが落ちているのか、どのくらい低下しているのか、原因は何であるかをきちんと知っておく必要があります。
それによって不安をなくし、今後の生活をどのようにしていったらよいのかを考え、生活上の注意点などについて知識を得ることできます。

脳の働きの低下の原因をなるべく早く調べ診断し、早期に正しく対処することが必要です。
気軽にどうぞ受診してみてください。

認知症について


認知症にはどうしてなるのか、
なったときはどうしたらよいのか

認知症とは?

認知症とは、普通に生活できていた人が、脳の病気やけがなどによって脳の働きが低下し、ものを覚える・言葉を使う・道具を使う・行動を計画し行っていくなどができなくなり、家庭生活や仕事に支障がある程度まで脳の機能が低下した状態をいいます。

年をとると認知症は多くなりますが、年をとっただけで認知症になることはありません。
認知症となるのは何らかの原因があり、その原因はさまざまです。

高齢者の認知症の原因としてはアルツハイマー病がよく知られていますが、レビー小体型認知症も比較的多い病気です。

その他にも、ゆっくりと脳の機能が低下していく病気など一般の人にはなじみの薄い様々な病気があります。
脳梗塞や脳出血やクモ膜下出血など、血管障害で認知症になることもあります。

認知症とは?
認知症をどのように診断しているか
 ・問診

・まず患者さんと家族から、どのように物忘れが進んできたかをよく聴きます。

認知症の患者さんの多くは、自分では「物忘れやできなくなったことがある」とは感じていません。

家族の方が「忘れてしまっている、今までできていたことができなくなった」と感じていることが多いです。

・どのようなことから始まったかを訊きます。
忘れやすくなったことかが始まりばかりではなく、生活の中で行ってきたことができなることから生じることもあります。

・こうした今までなかった異常が、どのように変化してきたかを訊きます。

意欲が落ちてきて一日中何もしないで横になっていたり、怒りっぽくなったり、いろいろなことを心配しすぎたりするなどが見られたりします。

そのようななかで患者さんが、現在どのような生活をしているかを知ることが大切ます。

 ・検査

その後で長谷川式簡易知能評価スケールという検査を行います。
簡単な質問に答えてもらう検査ですが、どのくらい脳の働きが落ちているか、どのような脳の機能が落ちているかがわかります。

次に身体の神経診察を行います。

動作からパーキンソンの症状がないか、筋力低下はないか、皮膚知覚の異常など神経診断のツールを用いて丁寧に診察します。

さらに、画像による脳の状態について脳CTによって調べます。

認知症の診断は、脳の形態を調べる検査のCTやMRI、検査脳のどこの機能が落ちているかを調べるための脳スペクトの検査など、脳の加増診断だけでは不可能です。

あまり知られていないことですが、認知症は脳の画像診断だけでは診断できないものです。

以上のように認知症の診断には、問診・神経診断・認知機能検査・画像診断を総合し、「認知症であるかどうか、認知症である場合はどのような認知症であるのか」を診断します。

認知症と診断されたときには

認知症は単なる物忘れとは異なる「病気」であり、どうして症状が出ているかを診断し、それによって対処していくことが基本です。

現在のところ認知症を治す薬は残念ながらありません。
しかし、アルツハイマー病やレビー小体型認知症によるさまざまな症状を改善させる薬がありますので、薬をのみながら過ごし方を工夫していきます。

認知症と診断されたときは、暮らし方の工夫が重要になります。

認知症が軽いうちは、なるべく今まで通りの生活を続け、できることは自分でやっていくようにします。

できないことが出現してきたら補う工夫をしましょう。

介護保険の対象であれば申請し介護認定を受けて、介護保険のサービス活用を検討します。

認知症がさらに進むと、できないことが増えて助けがより必要となってきます。
意欲低下が強く、自分からは何もしなくなり座ってテレビをつけているか横になっているだけの生活になることがあります。
このようなときには、生活の刺激を目的とした介護保険のデイサービスはとても有効です。
暴言や暴力、徘徊などの困った症状も生じることがあります。
高度の認知症になると、着衣・入浴・食事・トイレなどの日常動作にも助けが必要となり、介護保険の担当のケアマネ―ジャーさんと介護のプランや方法を相談し見直していく必要があります。

認知症の治療の目標は、本人が生活の中で出来なくなったことや困ったことを補うことで支え、安心して生活できるようにすることです。
当クリニックでは、ご本人とご家族が、少しでも安心して穏やかに過ごせるよう、お話をよくお聴きしながら一緒に考えていきます。

認知症の主な病気

・アルツハイマー病
・レビー⼩体型認知症

 ・アルツハイマー病とは

アルツハイマー病とは、脳の中にアミロイドという異常なものがたまり、ゆっくりと脳細胞が減っていく病気です。

高齢になるほど多くなります。

「海馬」という新しいことを覚える働きのあるところから病気が始まってくるため、最初は新しいことが覚えられないという症状があらわれます。

「少し前のことを覚えていない、約束を忘れる、同じことを何度も言う、日にちが分からない」などが見られます。
進行すると、今まで覚えていたことも分からなくなり忘れてしまいます。
さらに進行すると物忘れだけではなく日常生活が難しくなるため、生活での介助が必要になります。

 ・レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、まだ十分には知られていない病気かもしれません。

実際にはレビー小体型認知症は、高齢者の認知症の原因として知られるアルツハイマー病以上に多い病気です。

レビー小体型認知症の方の脳を顕微鏡で見ると、通常では存在しないレビー小体と言われるものが脳細胞の中にたくさんに見られることから、この名前がつけられました。

もの忘れから病気が始まるアルツハイマー型認知症に対し、レビー小体型認知症では、初期にはもの忘れは比較的軽いことが多く、それ以外の症状で始まることが多くみられます。

レビー小体型認知症では前頭葉機能の低下が強いため、「今までできていたことができなくなってきた。

何もしないで一日中座っていてテレビを見るだけになった」などの変化から始まることがあります。

※以下は、レビー小体型認知症の特徴的な症状です。

・認知症が始まる前に睡眠障害がみられることがある
・いないはずの人や動物が見えるなどの幻視がある場合もある
・気持の落ち込みが強いうつ状態が続き、しだいに認知症の状態が
・安が強くいつも何かを心配してることが多い
・体調を過度に気にかけ、少しでも不調を感じると不安になり悪い病気を疑い、病院で検査をくり返し投薬を求めることも多い
・歩行が小刻みに遅くなり、転びやすい、体の動きが遅い、声が小さく、表情が少ないなどのパーキンソン症状がある
・ぼーっとしている時とはっきりしている時が日によって変化したり、1日の中で変動する
・寝ている時に大きな声を出したり、手足をばたばた動かしたりする
・血圧が下がり意識を失う・汗をかきすぎる・便秘するなど自律神経の異常による症状

レビー小体型認知症は、こうした様々な症状から始まるのが特徴です。
もの忘れ以外のこれらの症状があるときは、レビー小体型認知症の可能性が考えられます。
幻覚や興奮を押さえるための薬が処方されることもありますが、少量の投薬で動けなくなってしまうことも見られます。